
カエサルの大改革
一応ポンペイウスと元老院派たちに勝利したカエサルは、ようやくローマに戻る。しかし北アフリカで残党の蜂起があり、
当時の戦車的存在である象を含めた大軍と対峙することになる。もはやいつも通り、数では劣勢に立たされたカエサル側は、
またもやいつも通り、カエサルのアイディアと励ましで成功していく。ようやく政治に戻れることになった
カエサルの大政治改革が後半に述べられ、もはや元老院主導の共和政では今や大国となったローマはうまくいかないと読んだカエサルの、
さまざまな政策がまとめられている。一人への権力の集中がなるべく起こらないようにシステム化されていた共和政の中で、
カエサルは終身独裁官という異例の地位について、拒否権行使さえもうけない独裁官のパワーを存分に発揮、
思うさま改革をやり遂げていく。かつてのスッラと違って反対派の粛清などは行わなかったカエサルは、
アンチ・カエサルたちともども、政治を行っていくのであった・・・
文庫第12巻である本書は、熾烈な会戦等よりもカエサルの実行した政策の数々が興味深い。
カエサルは、現行のシステム下ではローマが大きくなりすぎたこと、それには今までと違う統治が必要であるという明確なビジョンを持っていたようだ。
本巻は、ローマ人たちのゆくえにワクワク、ハラハラするというよりむしろ、国をよりよく治める為に何をどうすべきかを考えさせる巻である。